空港行きのバスが来ない! タクシー代をプレゼントしてくださった日本人との出会い バンコクからメルボルンまでの飛行機移動 【タイ→オーストラリア】
東南アジアを去る日
2018年12月1日 3週間滞在していた東南アジアから去る日がやってきた。
離れがたいような、わくわくするような複雑な心境。この蒸し暑い気候も、到着した当初は体力を奪われてしまいあまり好きではなかったが、3週間もいると身体も慣れてしっくりきていた。むしろこれくらい暖かい方が体調が良いのでは?と感じるまでになったほど。自分の変化に驚きを隠せない。何より浴びるように飲んだタイビールともうお別れだと思うとたまらなく寂しかった。
しかしその反面、オセアニア大陸へ渡ることへの喜びや期待も大きかった。なぜなら今までずっとずっと行きたかった場所だから。オセアニア大陸に訪れるのは初めてだし、やりたいことだってたくさんある。
私はタイからニュージーランドに渡る必要があった。なぜなら夢リストの項目の1つ ルピナスが咲いている時期にニュージーランドのテカポ湖で満天の星を見る を叶えるため。私はルピナスという花をどうしてもそこで見たい。花の季節はもう始まっておりそう長くない。急がなければいけなかった。
ニュージーランドまでのフライトスケジュールは以下の通りである。
◎2018年12月1日 タイ バンコク10:00発 →マレーシア クアラルンプール13:00着 (乗り換え時間 約9時間) クアラルンプール22:25発⇒ (機内泊) ◎2018年12月2日 ⇒オーストラリア メルボルン着 9:20 (メルボルン泊) ◎2018年12月3日 オーストラリア メルボルン23:55発⇒ (機内泊) ◎2018年12月4日 ⇒ニュージーランド クライストチャーチ5:10着 (クライストチャーチ泊) |
結論から言うとタイからニュージーランドまで丸3日かけて移動することにした。
なぜこんな方法をとったかというと、機内泊を取り入れる方が飛行機代を抑えられたことと、オーストラリアのメルボルンに訪れてみたかったことが理由だ。
ニュージーランドを巡った後、オーストラリアには訪れる予定だったが、メルボルンは大分南に位置している。オーストラリアの他の滞在予定場所とはかなり離れており、飛行機を使わないとアクセスするのは難しそうだった。
東南アジアからニュージーランドへの直行便はあるにはあるが高い。オーストラリア経由の方が大分安かった。そうなると、オーストラリアでの乗り換え時間をわざと長めにとり、訪れる方法が一番価格的にも効率的にもよさそうだった。この方法は途中降機(ストップオーバー)とも言われている。関連記事:乗り継ぎ先で1日以上観光できてしまうストップオーバー(途中降機)とは?
マレーシアで9時間乗り換え待機⇒機内泊⇒メルボルン1泊⇒機内泊⇒クライストチャーチ1泊 という、割と忙しいスケジュール。しかも機内泊のサンドイッチ状態。このスケジュールを組んだのは自分だったがいささか気が重たかった。利用するのは全部LCCだし絶対に疲れること間違いなしである…。
でもこれでずっと行ってみたかったメルボルンにも行けるし、ニュージーランドまで安価に移動できる。頑張れ、自分。そう奮い立たせ朝6時に起床。長い長い私の移動日が始まった。
空港行きのバスが来ない!? タクシー代をくださった日本人Aさんとの出会い
この日の飛行機はバンコクドンムアン空港10時発。となると遅くとも7時30分頃まで空港にはついていたかった。
宿の近くからエアポートバスが早朝に来ると滞在していたホステルのスタッフが教えてくれたため、それに乗ることにした。前日に念のためバス停に訪れて時刻表を確認し始発の時間を確認する。ちゃんと書かれていたので、安心していた。
そして当日、事件は起こった。バスが待てども待てども来ないのだ。
そうすると通りかかったタイ人が「最近変更になったみたいで、始発は1時間後だよ」と言うではないか。
なるほど…。インターネットで調べた時もその便はあると書いてあったが、情報が更新されてなかったのか。
もうここは待っていても仕方ない。おとなしく配車アプリ(Grab)で車を配車することにした。
しかしながらこんな時に限ってクレジットカード支払い対応可能な車がない。全て現金のみ受け付けだった。参ったな、もう最終日ということであまりタイのお金(バーツ)は手元に残していなかった。
現金で支払う必要があるならば、空港まで行くにはあと700円程足りないので、ATMに行く必要がある。しかし調べてみても、早朝ということもあって開いているATMが近くに見当たらない…。これは困った。両替所でも良いのだがそれもなさそうだ。
引き続きGoogle mapでどうにか開いてそうなところはないか探していると「どうしたんですか?」と声をかけてくれた日本人男性がいた。そして状況を説明するとこう言うのだ。
「大変じゃないですか!もしよかったら、僕のお金使ってください!」
なんとお優しい…。でもそれは申し訳なさすぎるし、初めて会った人にご迷惑をかけるわけには…。手持ちのお金でタクシーを拾い、ATMまで行ってもらって、その後空港まで乗せてもらおうと考えていた。でも彼はそのままこう続けるのだ。
「僕も今まで旅で色んな人に助けてもらったことがあって、同じように人を助けられたらって思ってるんです。700円でそれができるならうれしいです。しかも10時発なら急がなきゃ。本当に、悪いと思わず使ってください。」
会って数秒でなんの迷いもなく助けてくれようとするなんて…なんて良い人なのだろう。
もう時間も結構経過していて、彼の言う通り急ぐ必要があった。かなり迷ったが「絶対お返しをする」という約束のもとお言葉に甘えることに。どれだけ感謝すればよいか分からない。
ここでは彼のことをAさんと呼ばせていただこうと思う。Aさんはこの日テニスをする予定で会場までバスで向かおうとしていた。バス停で私が困っていた様子だったので、声をかけてくれたという。この後は南米に渡りしばらくゆっくりしたいと話していた。Aさんはすごく旅慣れていて今まで様々な国に訪れたことがあるそう。
そうこうしている内にタクシーが来た。連絡先を交換して、お礼を伝え、タクシーに乗り込む。笑顔で見送ってくださるAさん。
なんだか思いもよらぬ出会いだった。神様が手を差し伸べてくれた気がした。
そして実は7か月後、イタリアのミラノでAさんと再会することになる。その話はまた今度記事にしよう。
バンコクドンムアン空港に到着、そして搭乗
そんなこんなで、8時頃ドンムアン空港に到着。前回は1時間ほどかかったが、この日は道がそこまで混んでおらず、45分ほどしかかからなかった。タクシー運転手にお金を支払う。Aさんが出してくださったおかげで、お金も足りた。本当にありがたすぎる。
そのままチェックインカウンターに向かうが目の前は長蛇の列だった。東南アジア内はオンラインチェックインできる便もあるのだが、オセアニアに渡る便は必ずカウンターでチェックインする必要があった。直接スタッフを通してオーストラリアのビザを取得済みかどうかを確認された。オーストラリア入国時に必要なETASという電子ビザを事前に取得していたため、ビザの確認は一瞬で終わった。
しかし保安検査場、出国審査などに時間がかかり、終えたのは搭乗時刻の30分前。やっぱり結構時間がかるし、ドンムアン空港を利用する際は時間に余裕を持って行動した方がよさそうだ。反省。
飛行機に搭乗し、いざ、乗り継ぎ先のマレーシア、クアラルンプールへ!
マレーシアで乗り継ぎ便9時間待機 プライオリティパス適用ラウンジを利用
13時頃にマレーシア クアラルンプール国際空港に到着。
2018年9月にマレーシアとブルネイを旅行した際、この空港を利用したことがあった。久々の来訪だ。ハブ空港ということで店や設備が充実している。
乗り継ぎまで9時間も時間があったので、一度マレーシアに入国してクアラルンプール中心地に出ようかとも考えたが、1年前既に見て周っていたこと、4日間結構ハードスケジュールの中動かなければいけない予定だったことから、ラウンジで体力を温存することに決めた。
プライオリティパスが適用されるラウンジはいくつかあったが、次の搭乗口へアクセスしやすいラウンジを利用⇒PLAZA PREMIUM LOUNGE
関連記事:プライオリティパス解説! 世界1300箇所以上の空港ラウンジが使い放題のカード
スパもついているプレミアムラウンジ。写真にはうつっていないが、ガタイの良い男性スタッフがもう1人いて、その人が対応してくれた。
受付の際搭乗券を見せる必要があるのだが、それを見るやいなや「あと9時間もあるじゃないか」と言われる。ラウンジは基本、滞在可能時間というものがあり、ここも3時間までしか滞在できないはずだった。
すると「今日はあまり混んでないし特別9時間いていいよ」と。そしてバチッとウインクをされた。あら、これはラッキー。彼のはからいなのか、いつも許しているのかは分からないが有り難い。そして受付終了した時も「Have fun(楽しんで!)」と言われてまたウインク。お茶目。
中に入ると、フリーの食事と飲み物が。その日は何も食べていなかったのでここで昼食をとることに。生野菜がたくさん用意されていてうれしい。この3週間屋台などで生ものを食べる際は少し警戒していたのだが、ラウンジの生ものは安心して食べることができた。
実際に食べた昼食。ちなみに夕食もここで食べたのだが、昼と夜は全然メニューが違っていた。夕飯の写真は撮り忘れてしまったが、夜はシュウマイや春巻きもあって嬉しかった。
最後のアジアでの食事。オセアニア大陸に移動したらラウンジで提供される食事も洋風に変わる。
そのままソファスペースに移動し、写真の整理をしたり、友人にメッセージを返したり、メルボルンのことを調べたり、宿や飛行機の予約をしたり…。結構やることは盛り沢山で、9時間なんてあっという間。むしろ時間が足りないくらいだった。
さよなら東南アジア! メルボルン行きの飛行機に搭乗そして就寝
搭乗時刻が迫ってきたので、搭乗口に移動。
クアラルンプールからメルボルン行きの機材は想像していたよりも大きい機材だった。確か2-4-2と席が3列に分かれていた。エアアジアにはこれまで何度か利用したが、ここまで大きい機材は初めてだ。
この便は運よく窓際の席が指定されていた。機内泊なのでこれは嬉しい。そして定刻通り22時35分に出発。
しばらくするととてつもない眠気に襲われた。普段機内では良眠できないタイプなのだが、爆睡できそうな予感。朝も早かったし、移動日は気も張るから疲れたのだろう。
目覚めた頃にはきっともうオセアニア。
さよなら東南アジア。また来るね。そんなことを考えながら眠りについたのであった。
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