【ラオス①】象使いの免許を取得 履歴書に書ける?象語は結構簡単?

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2018/11/16 ラオス - ラオス

【ラオス①】象使いの免許を取得 履歴書に書ける?象語は結構簡単?

 

「ラオスで象使いの免許を取得した」そう友人に報告したら、爆笑しながら「似合わない」と一蹴された。象使いが似合う人なんてそうそういないだろうに。

この免許取得は近年東南アジア旅行者の中で流行っているアクティビティだ。ラオスだけではなく最近カンボジアやタイでも取得できるらしい。

以前バリで象に乗った経験があったため、最初はこのライセンスを取得する気はなかった。

しかしながらラオスの歴史を知り私の考えは一変した。ラオスの起源は1353年に建国された「ラーンサーン王国」という国。そしてラーンサーンは”100万の象”という意味らしいのだ。象が戦争時に戦車のように使われたことが由来して、この名前が付けられたらしい。つまりラオスは象の国。

折角象の国に来ているのだから、象と触れあわねば!という考えに至り、どうせなら日本では経験できないことをしたいということで、象使いの免許を取得することに決めたのであった。

街中の旅行会社を巡り最安値でツアーを予約

私は、ルアンパバーンに滞在していた。ルアンパバーンはラオスの京都と呼ばれており、街自体が世界遺産でもある。この街は小さく、店が集まっている市街地の範囲も狭いため徒歩圏内で巡ることができる。

ルアンパバーン市街地にも観光地は複数あるのだが、郊外の観光地や催行されている現地ツアーも多い。そのせいもあってか街の中心部には多数の旅行会社が存在している。しかし同じツアーを申し込むにしても旅行会社によって価格設定が異なる。そのため、街の旅行会社を複数巡り納得いくツアーを見つけ購入することが主流らしい。

象使い免許のツアーも1日~5泊6日と多様であるが、私の希望は1dayツアーであった。様々な旅行会社を周るも、99ドルから35ドルまで価格設定は多種多様。ツアー内容は同じなのにここまで違うから驚きである。

結局、一番安価だった旅行会社で35ドル(約4000円)で1dayツアー(昼食+ミネラルウォータ付き)を申し込むことにした。

 

画像:私が予約した旅行会社Phone Travel。

ついにツアー開始! 象に乗って森の中をお散歩

朝8時50分に旅行会社に集合し、大型のバンに乗り込み約1時間ほどでエレファントキャンプに到着。

まずは体で慣れろの方針なのかはわからないが、到着して早々「まず初めに象に乗りましょう」と言われる。

象の上に設置されているに2名掛けの長椅子に座り、プロの象使いが誘導するスタイルだ。

       

最初は「前バリで乗った時とそんなに変わらないかも?」と思っていたが、完全に気のせいであった。

 

うっそうと草木が生い茂った森へ誘導され歩き始めたではないか。もはやこれはただのエレファントライドではない。象に乗りながらトレッキングをしているような気分だ。

むしゃむしゃと山の草木を食べる象さん。「ああこれは朝食なのね!」と思っていたのもつかの間、今度は急勾配の山を登り始めた。

これは全く予想外であった。しかしこれはさすがに象が可哀想になってしまった。重いよね、ごめんね……。

 

上りも中々スリリングであったが、下りは個人的にジェットコースターより怖かった。急な山道を1歩1歩下っていく象。しかしその1歩1歩の衝撃がやはり凄まじい。

 

そんなこんなで出発した場所へ戻ってきた。象に感謝の言葉を述べ、しばしお別れ。さすが象の国ラオス。以前バリでした体験とは全く異なる、新しいエレファントライド体験となった。

 

座学編 象語と生態の勉強

次はプロの象使いによって、象語と生態の指導が開始された。

 

生態の説明内容はこのような感じ。象によっても異なるが、場合によっては80歳まで生き、約60歳くらいまで子どもを産む象もいる。妊娠してから出産するまで20か月と結構時間がかかり、双子などが生まれることはなく1度の出産に1頭だけしか産まない。以前はより多くの象を飼っていたが、中国と日本に売ったらしい。

ここにいる4頭の象は若い者が25歳、高齢な者が40歳ほど。ここにいる象は全員メスでアジアゾウだから目立つような牙がない。象は2時間しか寝ず、哺乳類で最も睡眠時間が少ない。食事の時間は特に決まっておらず、1日中草木を食べている。象は頭が良く、顔や声を見分けることができる。

 

なるほど。睡眠より食事が何よりも大事なのね…。確かに、あんなに大きい体の栄養を肉ではなく草木で補う必要があるんだから、たくさん食べなければいけないだろう。

 

続いては、象語の勉強。これはラオスの言葉、ラオ語が由来となっているが、象もきちんと聞き分けられるという。

それにしても1つ1つは簡単であるが、結構種類がある。

例えばGOは「パイパイ!!!!!!!!!」というように強めに発音する。数回やっても聞かないときは「パーーーーーイッッッ!」というように発声する。これらの言葉で指示が通らない時は耳をおさえたり、足で体を叩いたりしながら象を誘導するそうだ。

今日の参加者は私の他に、スコットランド人の男女2人。プロの象使いがリピートアフターミーというので、参加者3名全員全力で復唱。笑いだすプロの象使い。何故笑うんだプロよ。

レクチャーが終了したところで、Lunchタイムの時間だ。メコン川を眺めながらスタッフ手作りのごはんを頂いた。

実践編 象へ直乗り!?象語が通じて感動

お腹も満たされたところで午後は実践編。

「これから象に直接乗るから、さっき覚えた象語を使って指示するように」と言うプロの象使い。

今日私のお相手をしてくれるのはオーンちゃんという名前の象。

年齢が36歳と聞いて、結構なお姉様なのでは!?と一瞬思ったが、象は60歳まで出産するという話を思い出し、まだピチピチのうら若き乙女だということに気付く。

これから直乗りするとのことだが、当然ながらシートベルトや命綱はない。日本だったら安全面が問題になって絶対許可されないアクティビティだろう。それにしても象は結構大きい。もしも象が「あなたの言うことなんて聞いてやるもんですか!」と私を振り落とせば骨折する可能性だってあるよね…そんなことを思いながら象の首にまたがり、直乗り体験が始まった。

必死に象語を発現し、象を操ろうとする私

「パイ!!!!!!パーイ!!!!!!!(進め)」

象もきちんと進んでくれる。

 

目標の場所まで来たため「ハオハオ!!!!(止まれ)」と指示する。

ピタッと止まる。

 

象語が通じた喜びに嬉しくなってしまう。言葉をきちんと理解しているんだなあと感動していると、今日は調子が良いとプロの象使いが象を撫でる。こんな素人の指示を聞いてくれてありがとう…オーンちゃん…。直乗りしているため、象の肌触りが直に伝わってきてそれもまた新鮮である。

 

しかしオーンちゃん、毎回指示が通じるわけでもない。目の前にバナナの山があり他のものに目もくれず直進するオーンちゃん。プロの象使いがバナナを食べさせるなと言うため、必死に「サイサイ!!!!!サイ!!!!サーーーーイ!」と左へGOの指示を出し続けるが、方向を変えることはない。まあそうだよね。食欲には勝てるわけがないよね…。

 

しばらく指示の練習をした後、休憩の時間となったため「メップロング!!!!メップ!メップ!!!!」(座って)と指示を出すと、お座りしてくれた。そして象から降り無事生還。

写真:オーンちゃんと自分。プロの象使い達が写真をいっぱい撮ってくれる。

 

応用編 象と共にメコン川にダイブ 川の水が鼻に入りパニック

「明日、メコン川入ることになると思うから水着持ってきてね」と前日伝えられていたが、まさか本当に入ることになるとは…。

東南アジアで1番長い川でもあるメコン川に入れるのは正直嬉しい。バカは水と高いところが好きと言うが、私自身本当に水辺と高い場所が大好きだ。

しかし1つ懸念があった。水がもし体の中に入り体調不良になったらどうしようということである。

メコン川は物凄く茶色い。その理由は川の流れが遅く泥も流れないからだとのこと。しかしながら水質自体も怪しい。メコン川流域の中には生活排水をそのまま流してしまっている場所がないとは言いきれないという。

インドのガンジス川に入ってをお腹壊したという話は度々聞くが、メコン川に入って体調不良になったという話は聞いたことがない。しかしその可能性だって大いにあり得る。そのため、私は絶対に川の水を口に入れまいと心に誓いながら川へ向かったのであった。

そしていざ川へダイブ。楽しい。メコン川の水は冷たすぎずぬるすぎず良い温度である。そしてオーンちゃんも川の底に沈んでいる枝をばりばりたべながらリラックスしている様子である。

画像:象に乗ってメコン川に入っている様子。

試しに「ボンボン!!!!」(鼻から水を出して)という指示を出してみた。すると噴水のようにバシャーッと象の鼻から水が噴き出す。象の噴水を浴びて喜ぶ私。

しかし喜んでいたのもつかの間、象使いのプロが何らかの指示を出し、象が川に沈んでゆく。そして勢いよく象が左右に動き出し、メコン川に振り落とされた。

私「!?!?!?!?」

口を貝のように固く閉じながら死んでもあけるものかと力を入れ続けた。そのお陰もあり口は平気だった。しかし問題は鼻だった。鼻に結構な量の水が入ってしまった。鼻が吸った水が口から出てくる。もうこれで口も鼻も喉も汚染されたため予想以上に悲惨な結果だ…。結局メコン川の水が体内に入ることを防ぐことはできなかった。無念。

その後私がやったことは、絶対に飲み込むまいと口の中に入った水を出しらメコン川から上がった後もミネラルウォーターとアズノールうがい薬を使用しながら鼻うがいを入念に行った。

そして元看護師がこんなことをやるべきではないが、度数の高いアルコールを飲んで消毒した。というのも、エレファントツアー後、米焼酎の蒸留を行っている村の見学ツアーが偶然セットになっていたのだ。その村で、ラオラーオというアルコール度数50%のラオスの地酒を何杯か飲みアルコール消毒を試みた。完全なる気休めであることは分かっている。しかしながら度数50%以上のお酒の中では菌は増殖しにくくなると以前どこかで聞いた話を信じて神に祈るしかなかった。

画像:ラオスの地酒たち。蛇やサソリが入っているお酒もある。米から作っている酒らしく、米焼酎も甘みが強かった。

 

しかしながら鼻に水が入ったことを除いては、最高に楽しい経験をさせていただいた。ありがとう、オーンちゃん。ありがとう、プロの象使い達…。

 

ライセンス証完成!履歴書に書いていいよと言われたが?

ツアーが終了し旅行会社に戻ると、象使いのライセンス証が完成していた。

これは旅行会社が独自で発行しているもので、公式資格ではない。しかし半日ほど象と接し、象語を覚えただけでGETできてしまうので、象に触れ合いたい人や海外で何らかのライセンスを取得したい人にはおススメしたいアクティビティである。私も実際参加してよかったと感じているし、純粋に楽しい時間を過ごすことができた。気休めのウイスキー消毒の甲斐もあってか体調不良を起こすことなく経過したし、万々歳である。

プロの象使いに「次の就職活動の時、履歴書の資格欄に”象使い”って書くといいよ」と言われた。公式資格ではないが資格であることは変わりないため履歴書に記載するかしないかは自由だという。

私が所持している資格は、普通自動車免許一種、看護師免許、保健師免許、養護教諭二種免許の4つだった。そしてこの日、5番目の資格として「象使い」が仲間入りしたわけである。

履歴書に書いたら面接官にどんな反応をされるんだろう?そんな好奇心はあるが、この資格のことはラオスの素敵な思い出としてそっと心にしまっておこう。もし今後動物園やサファリに就職したくなったら、活かせる可能性もなきにしもあらずなのでその時は資格欄に”象使い”と大きな字で記載したいと思う。

 

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