【タイ⑨】バンコクの中華街 世界の至るところで中国のパワフルさを実感した話
タイに滞在してしばらく経ったこの日。なんだか突然美味しい中華料理が食べたくなった。
というのも、中華料理が全ての料理の中で一番好きなのだ。明日世界が終わるなら、中華料理を食べて死にたいし、たとえ毎日中華を食べなければいけない状況が来ても全然苦だとは思わない。
それほど中華料理をこよなく愛しているのである。
中華料理屋は滞在していた場所付近にもたくさん見かけたが、どうやらバンコクには大きな中華街があるとのこと。折角なので足をのばしてみることにした。
夕方、到着するとそこには漢字にまみれた世界が広がっていた。赤、青、黄色…原色で配色された派手な看板がひしめき合っている。中華調味料の独特の香りがどこからから漂ってきて、早口の中国語が周りから次々と聞こえてくる。そうそう、これこれ。この感じ。私は中華街の雰囲気が嫌いではない。
中華街は世界の至るところにあるが、ここはかなり大規模。世界有数の大きさを誇るらしい。
世界旅行中、多くの中華街に訪れた。バンコク、シンガポール、メルボルン、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ…他にもたくさん。
*世界で実際にみかけた中華街
カリブ海に浮かぶ島国、キューバで中華街に出会った時は驚いた。こんなところにまでチャイナタウンを作ってしまうのかと。現在中国人はそれほど住んでいないらしいが、一時期はラテンアメリカで最も大きい中華街だったのだとか。中華系のキューバ人もちらほら見かけたし、中華料理屋も結構見かけた。
ラテンアメリカといえば、印象深いエピソードがある。中米にあるベリーズという国の小さな離島に訪れた時だった。さすがにここに中国人はいないだろうと思いきや、彼らはその島でも元気に働いてた。商店や中華料理屋を営み、生計を立てていた。しかもその中華料理がまた安くて美味しいのだ。
ヨーロッパでも中国の経済力を肌で感じた。イタリア、フランス、スペイン、ロンドンの大きい広場には、きまって中国大企業の巨大広告が鎮座していた。ヨーロッパの洋風の綺麗な景観に、漢字が掲げられているのはなんだか似合わなくて違和感を覚えた。でも、そのアンバランスさのお陰で存在感はピカイチだったからある意味広告効果は抜群かもしれない。ニューヨークのタイムズスクエアの電光掲示板だって、中国企業の広告が四六時中ずっと流れていた。今や中国はGDPも日本を抜いて世界2位。世界の工場とも言われている。悲しいことに中国製品の力なしでは今の私たちの生活は成り立たないだろう。
まだ訪れていない場所だが、日本の裏側に位置するアルゼンチンにも、遥か遠く離れた南アフリカ共和国にも中華街はあるという。
勿論日本人街も世界にはちらほらあるが中華街とは規模も数も違う。人口が多いからこんなに世界中に中華街があるのでは?と以前は思っていたが、どうやらそれだけが理由ではなさそうだ。中国の政策や情勢を見ていても、度肝を抜かれることは多い。良い意味でも悪い意味でも、突き出ていると思う。
総括すると、彼らは本当にパワフルで、逞しい。これは完全に主観的かつ感覚的な意見だが、この旅行で知り合った中国人の知人友人も、世界のどこでだって生きていけてしまいそうな人が多い。上昇志向が高い人が多いというか、良い意味でアグレッシブというか、土地に執着しないというか、働き者というか…。
「将来のビジョンは?」「これから〇〇に挑戦したいと思っているけどあなたは?」「今こんなことを勉強している」「これからヨーロッパの〇〇で働きたいと思っている」「こんなんじゃだめになる!もっとがんばらなきゃ!」…こんなメッセージを送ってくれる中国人の友人は1人や2人ではない。こんなに頑張らなくてもいいじゃん…何と戦っているの…という気持ちになることもあるのだが、彼らのエネルギッシュさは凄まじいし、いつも良い刺激をくれる。
日本は便利で快適でとても居心地の良い国。そのことを帰国後痛感している。日本ならではの良さもたくさんあるし、安心して過ごせる。でも、居心地がよすぎるからなのか、なんだか平和ボケしている自分もいるのも確か。私だって力強く生きていたい。彼らの姿勢から学ぶべきことがありそうだ。
ここまで主に中国の良い面ばかりかいつまんで書いてきたが、もちろん良くない面だってある。私は中国人の友人達も好きだし、中華料理も大好きだ。でも中国という国が好きかと聞かれると言葉につまってしまう。ここにマイナスなことはあまり書きたくないので、自分の心の中に留めておくことにするが、良い意味でも悪い意味でも中国は本当にしたたかな国。それは間違いなさそうだ。
話が逸れてしまったので戻ろう。これはこの日お世話になった中華料理レストラン「Tang Jai Yoo」Google mapで口コミスコアが良かったので選んだお店。訪れた時は夕方5時頃であったが、結構お客さんが入っていて店員さんも忙しそうだった。
これがオーダーしたあんかけ海鮮焼きそば。
プリプリとしたジューシーなイカと、噛み応えのあるきのこ、シャキシャキとした食感の野菜がとろっとした優しい餡に包まれている。そして下に油でパリパリに仕上げられた麺が隠れているのだが、それらとのコンビネーションときたらもう抜群。天にも昇る心地であった。
これを食べたらなんだか元気が湧いて、色々なアイディアが浮かんできた。食の威力ってすごい。パワーをくれるし、癒しの作用があるし、何より人を幸せにする。
以前中国人の友人に「あなたは日本風にアレンジされた中華料理が好きなだけなんじゃない?」と言われたことがあったのを今ふと思い出した。しかしどうやらそれは違うようだ。世界中で中華料理を食べ歩いてきたが、どれも美味しく感じたから。本当に好きだということがこの1年で証明されたような心持ちだ。
帰る頃にはもうすっかり日も暮れ、ネオンが彩っていた。到着時と同じ場所で撮ったのに、夕方と夜とでは全然違う景色。
基本的に旅行先ではローカルフードにどっぷりつかりたい派だが、たまには自分の好物を食べるのも良いな。これからも定期的に中華料理休憩を挟んでいこう。そんなことを考えながら帰路についた。
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