【ラオス→タイ】スリーピングバス体験記 ルアンパバーンからチェンマイまでの陸路移動 所要時間21時間
皆さんはスリーピングバスというものをご存知だろうか?
スリーピングバスとは、シートがフラットになっており寝姿勢のまま移動できるバスのことである。
今回、人生で初めてスリーピングバスを体験したためその記録を残しておこうと思う。
まずスリーピングバスに乗ったきっかけから説明していこう。私はこれまで日本→タイ(バンコク)→ラオス(ルアンパバーン )と移動してきた。私が世界一周第1カ国目タイを選んだ大きな理由は2つ、予防接種をすることと、タイのイーペン祭(ランタン祭り)に参加することだった。
ランタン祭りは11月22日にタイのチェンマイで開催される。そのため、それまでに私はチェンマイに到着している必要があった。そうなると、滞在地ラオスのルアンバパーンからチェンマイへ移動しなければならない。
移動手段の選択肢としては3つ。飛行機、船、バスである。
まず飛行機だと短時間で到着するが、他の2つの手段と比較すると当高価である。イーペン祭が近いことが影響してかチェンマイ着の便は全体的に値段が高騰しており、ルアンバパーン →チェンマイの便は2万円近かった。私は急いで移動する必要はないし、できることなら節約したい。陸路での国境越えを東南アジアにいる内に体験したいという思いもあったため、飛行機は使わないことにした。
続いて船。ルアンパバーンからメコン川を下ってチェンマイに移動する船がある。スローボートとファストボートと2種類あり、前者が2泊3日、後者が1泊2日で移動できる。こちらは時間のある長期旅行者に人気の移動方法だ。川下りをしながら隣国に向かう風情のある移動方法に心惹かれる気持ちもあったが、エアコン大好き人間としては空調設備がない中で長時間船に乗るのはきつそうだと考えたためこの選択肢も、消えた。
最後はバス。チェンマイまで前途したスリーピングバスで行く方法である。月曜日と金曜日だけはチェンマイまで直通のスリーピングバスが出ている情報を街のツアー会社で手に入れた。聞くところによるとエアコンも効いており、毛布の貸し出しもあり、トイレも付いているらしい。18時間かかるらしいが、ごろごろすることは得意中の得意であるため問題ない。ただシートが2名用のため、知らない人と一緒に寝なければいけないことがネックだ。しかしそれも中々出来ない経験だし、試してみることにした。
ルアンパバーンのメインストリートにある旅行会社を複数巡り、17時30分発のバスチケットを330000キープ(約4360円)で購入。
300000キープで販売している旅行会社もあったが、ピックアップが含まれていなかった。最安値ではないがピックアップ付きのプランを提示してくれた店で乗車する2日前に購入した。
いよいよ乗車当日。16時45分に宿にトゥクトゥクが迎えに来てくれて、乗車予定地であるノーザンバスステーションに向かう。
到着したのは17時15分。そこからバスステーションの窓口でパスポートを見せて、受け付け終了。スタッフから乗車券を渡される。
どんな人と一緒に寝ることになるのかドキドキしながらベンチでバスを待つ。学生の頃、席替え前に「誰が隣になるのかな」とそわそわしていた感覚と似ている。一応性別は考慮してペアリングしてくれるようだが、場合によっては男女ペアにさせられることもあるらしいし、人数が少なければ1人で寝られることもあるらしい。どうか一晩一緒に過ごす相手が良い人でありますようにと祈る。
ようやく乗車OKのサインが出て、バスに乗り込む。
そしていざお隣さんとご対面。私の祈りは神様に届いたようだ。隣の相手は待ち時間一緒に話していたフレンドリーなカナダ人女性であった。「あなたと一緒でよかった!」と2人で言い合いながら話しているとバスが発車する。予定より30分遅れの18時に出発だ。
バスの中は二段ベットがずらっと敷き詰められており、162cmの私がなんとか足を伸ばせる広さ。日本人は小柄な人が多いけど、体の大きい欧米人男性なんかは、ここで2人で寝るとなったら辛いんだろうなあと感じた。
ルアンパバーン からチェンマイへのバス経路は、約750km。大体東京から広島県くらいまでの距離。本来はもっと近いのだが、タイのチェンライという場所を経由するため遠回りしていくこととなる。
道の状況を結論から述べてしまうと、タイ側の道よりラオス側の道の方がスリリングだった。悪路も途中あると噂は聞いていたが、途中コンクリート舗装されていない道もあり、激しく揺れるため体がバウンドし床に打ち付けられる場面もあった。私は車酔いすることは滅多にないため問題なかったが、酔いやすい人は少し大変そう。
そしてチェンマイへの道は高速道路などではない。崖の脇など狭い道も通るし、人が道路を横切ることもしばしばある。バスの車体が大きいため、道の幅によっては対向車とのすれ違いも一苦労。器用に対応している運転手の様子を見て感動してしまったほどである。
写真:休憩所の様子
休憩はおよそ3、4時間に1回あり、約1時間のご飯休憩と15分程度のトイレ休憩と2種類の休憩があった。なんと最初の休憩の際、バスに不具合があったらしく大きいペンチでタイヤを外して修理し始めた。固唾を飲みながら見守る乗客。1時間ほどかけて修理が完了し、無事乗り込んで良いと言われた。車には詳しくないため、どの部分が不調であったのかは分からなかったが、不安が残る。大丈夫かな…。
写真:バスを修理している運転手たち
しばらく道の様子を観察していたが、睡魔がやってきたため0時に就寝。
起床したタイミングが朝の6時頃。よく眠ることができた。「ここで1時間休憩をとるから、ご飯をたべてください」と7時半頃バスのアナウンスが入った。毎度のことながら休憩が長めである。
この時点で国境はまだ超えておらず、国境まで5kmほどあるようだっな。すでに13時間バスに乗車していたが、Googleマップによるとチェンマイへまであと5時間半かかるという。休憩もあと数回は取るだろうから予定より2時間以上遅れそうだ。
どうやら8時より前に国境をこえると深夜料金(手数料)がかかるらしい。それを節約するための調整休憩?とも考えたが、真相は謎である。考えても仕方ないためとりあえずごろごろしながら出発を待つ。
私は事前にパンやお菓子などを持ち込んでいたため、数回あったご飯休憩場所では一回も食事を取らなかったが、ほとんどの乗客が食べていた。カナダ人女性によると味は可もなく不可もなくといったところだと話していた。
そしてついに国境にやってきた。陸路での国境越えは生まれて初めての経験だったため、ワクワクである。バスに詰め込んである荷物を全部出せと言われ、乗客全員が重たい荷物を持ちながらいそいそと出国審査所へ向かう。
パスポートと共にラオスの出国カードをスタッフ渡し、特になにも聞かれることなく出国手続き終了。
出国審査後、今まで乗ってきたバス乗り込んで他の乗客を待つが、待てども待てども揃わない。結局全員が終了するまで50分とかなり時間がかかった。窓口は空いていたため、何かトラブルだとか、確認事項があった人がいたのだろうか。
その後、バスに乗りながらラオスとタイの友好橋を渡り国境を越える。ここの地域はメコン川に沿って国境線が引かれている。なんだか想像していたよりもスムーズに国境を越えることができてしまった。
写真:友好橋を渡っている時の様子。メコン川。
その後タイ側のイミグレーションに到着し、こちらでもなにも聞かれることなくあっさり入国審査完了。
しかしこの時点で午前9時。チェンマイまでは5時間かかるとGoogleマップが言っている。先はまだまだ長そうだ。
ちなみにタイに入った途端、道路が大きく安定したものとなった。イミグレーションや休憩所のトイレもラオスと比較すると綺麗だ。
ラオスの休憩所は所謂ぼっとん便所が主流であり樽にある水を桶に汲んで流す作業が必要であった。ラオスは備え付けのトイレットペーパーもなかったが、タイに入ってからは設置してある所もあった。やはりラオスと比較するとタイの方が道路やトイレの設備に関して進んでいる印象だった。
そんなこんなでバスは進み、11時頃チェンライに到着。チェンライで大分人が降りたため、二階の席に移動し、一人でのびのびと過ごすことにした。
その後も携帯を操作したり、昼寝をしたりしながら過ごし、結局終着地チェンマイのバスステーションに到着したのは15時だった。
所要時間18時間ときいていたスリーピングバスだったが、実際にかかった時間は21時間。そこからロットゥー (タイの乗合タクシー)に乗車し、宿に向かった。長い旅路であったが無事ランタン祭りに参加できそうだ。
スリーピングバス体験記はこれにて終了である。
もう一度乗るか?と聞かれたら、私は乗ってもいいなと思う。飛行機で行くのは楽だけど、このように移動するのも嫌いじゃない。「あー!いま旅行してる!」という感覚を味わえるから。
しかし隣の人が良い人だったからこう言えることだし、体調があまり良くない時だったらこのバス移動は辛いものだったろう。
ちなみに他の旅行者から聞いた話によると、スリーピングバスには1人席用のものもあるらしく、どうやらベトナムやカンボジアで運行しているようだ。今後機会があったらそちらも挑戦してみたいと思う。
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