【タイ⑦】線路上にあるスリリングなマーケット メークロン市場でタイらしさを感じた話

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2020/05/12 タイ - タイ

【タイ⑦】線路上にあるスリリングなマーケット メークロン市場でタイらしさを感じた話

 

タイの首都、バンコク中心部から80km離れた場所に”線路上にある市場”がある。

その名はメークロン市場。近年何かと話題にのぼっているマーケットであり、耳にしたことがある方も多いだろう。

タイ国鉄のメークロン駅に隣接している市場なのだが、列車が往来する線路の上で物の売買が展開されているという世界でも類を見ない市場なのだ。

実際、どんな様子なのか確かめに行ってきたが、タイらしさ溢れる面白いマーケットだったので紹介したい。

電車の時刻表 ※市場で電車が往来する光景を見たい人は要チェック

メークロン市場は線路上にある市場。電車がその横を通る姿を見なくてもよい人は確認する必要はないが、私の場合どうしても見たかったため、事前に時刻表を調べた。

メークロン市場着 メークロン市場発
08:30 06:20
11:05 09:00
14:25 11:30

17:40

15:30

(※2018年11月時点の時刻表)

この時刻表から私は14時25分にメークロン市場に到着する回を狙うことにした。

メークロン市場までのアクセス

アクセスに関してはコチラのブログを参考にし、私はロットゥー(乗合タクシー)を行き帰り利用した。実際に電車に乗車するのも非常に魅力的なのだが、所要時間が長く乗り換えが必要なため、簡単かつ楽ちんな方法を選択することに決定。

私の宿泊していたホステルからは南バスターミナルへのアクセスが良かったので、ローカルバスで向かった。(ローカルバスでの行き方はホステルのスタッフに直接聞いた)

ロットゥーは基本的に人が集まった時点で発車するシステムなので、出発時間が読めない。この日は念のため早めに行動した。

*南バスターミナル Southern Mini Van Station
สายใต้เก่า ปิ่นเกล้า

住所:Arun Amarin, Bangkok Noi, Bangkok 10700 

 

 

午後12時20分。南バスターミナルに到着。数多くのスタッフがいる。

この内の1人のスタッフにどこへ行きたいの?と聞かれたので「メークロンマーケット」と行先を伝えると、担当の係員に引き渡された。念のため、メークロンマーケットの写真を見せながら「ここに行きたい」と伝えると、笑顔でOKと返事あり。片道運賃60バーツ(約210円)を支払った。

ロットゥーのチケット

ロットゥーの中の様子。エアコンはガンガンに効いており、そこまで古い車ではなさそうな雰囲気。他の乗客が集まるまで20分ほど待機し、最終的に午後12時40分頃発車した。

車に揺られること約1時間20分。14時頃メークロン市場付近のバスターミナルに到着した。やはりバンコク中心部から離れていることもあり時間がかかった。バンコクの道は渋滞していることも多く、車で向かう場合到着時間が予測できないことも多い。もしもロットゥーで行く人がいれば、時間に余裕を持った行動をおすすめしたい。

 

メークロン市場へ到着 予想以上に図太いタイ人

バスターミナルから人の流れに沿って数分歩くと、市場を見つけた。

噂に聞いていた通り、線路すれすれに売り物が並べられている。写真は野菜や果物などの食品が並べられているが、衣服や日用品を売っているお店も。

テントが線路の上を覆っており、こんな状況ではとてもじゃないが電車は通れない。中には線路の真上にテーブルや椅子を置いている飲食店もあるから驚きである。

 

電車が往来する10分前の様子。この時点では観光客も普通に買い物しており、線路から立ち退く様子は見られない。

タイ人の図太さに感心しながら様子を観察していると、全体に大きなアナウンスが流れ始めた。どうやら「電車がもうすぐ来るので線路から離れてください」という内容のようだ。

そのアナウンスが流れ始めた途端状況が一変。市場の商売人たちがいそいそと片付けを始めた。いつものゆったりとした姿からは想像できないほどの機敏な動きで、線路から売り物を避け、屋根を畳み始めるタイ人。その豹変っぷりがお茶目で思わずくすっと笑ってしまった。1日4往復も列車が通っているのだから、毎日この作業を何回もしているのだろう。手慣れているわけである。

 

*右側の店は電車往来の準備が完了している。左側の店は準備中。

ついに電車往来! 売り物の上を通過する列車…

アナウンスから5分後の14時33分。かなりゆっくりとしたスピードでサイレンを時折鳴らしながら徐々に近づいてくる。

いよいよ電車が真横を通ろうとしている。駅のホーム以外でここまで電車に近づくなんて初めてだ。

電車が来た。何より驚いたのはこの光景だった。売り物の真横…いや真上を列車が通過している。車輪と車体のわずかな隙間によくもまあ器用に並べたものだ。片づけるのが面倒臭いのか、それとも観光客が喜ぶからなのか…。はたまたそのどちらもなのか…。

列車が通った後はこれらの商品を何事もなかったかのように人に売るわけである。日本だったら衛生上、安全上の問題で許されないだろう。

しかしこのタイらしさが存分に表れている光景を見て、なんだか微笑ましい気持ちになった。この列車は国鉄なので線路は国の所有物。しかも列車のアナウンスはタイの観光局の監修によるものだった。ということは、国もこの現状を知っていて、この情景を観光資源として認めているということだ。

タイ人は少し大変なことや変わったことがあったとしても大ごとでなければ「マンペイライ(気にしない、大丈夫)」という言葉で済ませるという。これもマンペイライ精神から発生した事象なのだろうか? タイの寛容さをまたしても突き付けられた。

⇒関連記事:チェンマイで危うく沈没しそうになった話 魔法の言葉”マンペイライ”

電車往来後 メークロン駅周辺でブレイクタイム

列車往来後はそのままメークロン駅へ。駅には先ほど目の前を通過した列車が停まっていた。

 

電車内の写真。チケットを持っていなくても誰でも入ることができる。この椅子に座っている人たちは休憩中なのか、15時30分発の便の席取り中なのか…。現地人も観光客もいた。

駅構内。タイはそこら中に屋台があるから、手軽にお腹を満たすことができる。遅めの昼食になってしまったが、お腹も空いていたのでここで何か食べることにした。

オーダーしたタイ料理。料理名は忘れてしまったが、あっさりした塩味で美味しい。そしてこれを平らげた後、電車を眺めながらこのマーケットについて少し考えてみた。

”世界一危険な市場”とも言われているこのメークロン市場。どうやら線路脇の国有地に裕福でない人々が無許可で住み始め、物の売買を始めるようになったことから始まったそう。

国有地に人々が住み着いてしまうことは世界的に珍しいことではないらしい。実際にインドでは国有地にたくさん人が住み着いているが、役人が管理しきれず、スラム街の多くが国有地に存在している…という話を聞いたことがある。もしかしたらインド周辺には似たような市場が存在するかもしれない。

でもここまで大規模かつ観光客に開かれたマーケットは、世界的に見てもこの”メークロン市場”だけだろう。100%安全で衛生的であるとは決して言えないが、それでも特別な場所であることは事実だ。

これからもどうか安全に、誰も傷つけることなく、この列車が走り続けられますように…。そんなことを考えながらメークロン駅を後にした。

結局、バンコク中心部に戻ってこれたのは夕方。タイらしさを感じられた良い一日だった。

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